はじめに
競合が増えると、
「値下げする」
「広告を増やす」
「サービスを追加する」
という競争になりがちです。
しかし、競争が激しい市場で勝つことだけが戦略ではありません。
競争そのものを減らす市場を作るという考え方が、ブルーオーシャン戦略です。
1.レッドオーシャンとブルーオーシャン
既存市場で競合と争う状態をレッドオーシャンと呼びます。
同じ商品
↓
同じ顧客
↓
比較
↓
価格競争
一方、ブルーオーシャンでは、既存の商品やサービスを組み替え、新しい顧客価値を作る
ことを考えます。
まったく新しい発明が必要なわけではありません。
2.「減らす」「なくす」ことも戦略
サービス競争では、つい機能を追加します。
しかし、お客様が求めていないものまで増やすとコストも上がります。
そこで4つの質問をします。
なくせるものは?
業界で当然と思われているが、顧客には不要なもの。
減らせるものは?
必要以上に提供しているもの。
増やすものは?
顧客が本当に重視しているもの。
新しく作るものは?
まだ提供されていない価値。
具体例① 地域工務店
通常のリフォーム会社では、
- 商品数が多い
- 見積りが複雑
- 補助制度は顧客任せ
だったとします。
そこで、
なくす
分かりにくい商品選択
減らす
打合せ回数
増やす
写真・効果の説明
作る
補助制度まで含めた断熱改修パッケージ
とします。
すると、「工事を売る会社」から「光熱費と住環境を改善する会社」へ変わります。
具体例② 美容室
一般的な美容室が、
カット・カラー・パーマを幅広く扱っているとします。
そこで、忙しい40~50代女性の白髪ケア専門へ変更。
減らす
幅広い若年層向けメニュー
増やす
白髪・頭皮相談
作る
短時間メニューと次回来店計画
顧客が求める価値を絞ることで、普通の美容室とは別の市場を作れます。
具体例③ 製造業
金属加工会社が価格競争に巻き込まれていた。
そこで、「加工品を売る」から、「開発担当者の試作を早く完成させる」へ価値を変えます。
- 図面段階から相談
- 加工方法を提案
- 少量試作
- 短納期
- 改良まで対応
単なる加工業者ではなく、開発支援会社という新しいポジションになります。
3.新しい顧客も探す
ブルーオーシャンでは、現在の顧客だけでなく、
なぜ今まで買わなかった人がいるのか
を考えます。例えばスポーツジムへ行かない人。
理由が、
- きつそう
- 若い人ばかり
- 時間がない
なら、高齢者向け30分健康運動という市場を作れるかもしれません。
顧客を奪うのではなく、非顧客を新しい顧客に変える発想です。
4.ブルーオーシャンも永遠ではない
成功すれば競合は真似します。
そこで第1回のVRIOが重要になります。
新しい市場を作る
↓
顧客が増える
↓
競合が参入
↓
経験・データ・ブランドを蓄積
↓
模倣困難性を高める
ブルーオーシャンを見つけた後は、いかにVRIOのRとIを作るかが重要です。
中小企業診断士の視点
新市場を考えるとき私は、「競合が何をしているか」だけではなく、「顧客が我慢していることは何か」を見ます。
例えば、
- 待つ
- 分かりにくい
- 手続が多い
- 誰に相談すればよいか分からない
- 複数業者へ依頼しなければならない
こうした不便の中に、新しい商品・サービスのヒントがあります。
ワンストップ君のワンポイント
🐶 「競合と同じことを少し上手にやるだけじゃない。“そもそも別の価値を作れないか”考えてみよう!」
実践ワーク
自社の業界について考えます。
業界で当たり前だが、なくせるもの
顧客が我慢していること
もっと増やすべき価値
新しく提供できるもの
最後に、
「今まで○○で困っていた人へ、○○を提供する」
という新サービス案を一つ作ってください。
まとめ
ブルーオーシャン戦略とは、奇抜な新規事業を作ることではありません。
顧客の不満を見る
↓
不要なものを減らす
↓
重要な価値を増やす
↓
新しい組み合わせを作る
↓
競争の少ない市場
↓
売上・事業発展
競合より良くするだけでなく、比較されにくい市場そのものを作る。
これがブルーオーシャン戦略の大きな魅力です。
次回予告
第8回は、
「顧客像を具体的にすると、商品開発が変わる」
~ペルソナ設計で“誰のための商品か”を明確にする~
を取り上げます。




