ご存知の通り健康診断は労働安全衛生法66条で 採用時健診 年1回の定期検診(深夜業等特定な業務従事者の場合6か月1回)義務づけられているものです。
Q&A方式で内容を確認してみると
〇健康診断の時間は労働時間に含まれるの?
→労働時間に含めなくてはいけない(有給)にする義務はありません。 ただ通達では含めるのが望ましいとされています。有害業務従事者の健診は会社負担です
〇罰則はあるの?
→違反には50万以下の罰金もあります。 実際罰金を課せられるケースは少ないのですが監督署の調査においては健康診断と三六協定の提出の有無は厳しく見られるので注意です。
〇パートでもあるの?
→パートでも1年以上雇用の見込みで週の所定労働時間が4分の3以上の場合対象となります。
〇協会健保の補助を使うには?
生活習慣予防病は35歳以上75歳未満の被保険者 6520円負担補助
特定健康診査(45歳以上75歳未満の被扶養者)が補助となります。 40歳と50歳の付加健診 40歳以上の偶数年の女性の場合子宮がんや乳がん検診の補助もあります。
20歳~38歳の偶数年齢の女性は子宮頸がん検診 肝炎ウイルス健診(プライバシー保護の観点から申し込みも結果通知も本人限定になります)
医療機関予約→事業主を通じて協会けんぽへ申し込み
〇健康診断の費用の負担は会社がしなくてはいけないの?
→法律的な義務つけられている項目は会社負担です。 人間ドックなど高価な健診を負担する場合も福利厚生費として経費化できます。
ただし役員だけ 社長だけの場合経済的利益=役員賞与とされる可能性もあります。一定年齢以上など規定しておくことがよいでしょう
〇健康診断をさせれば会社はそれだけで義務は果たしたの?
→常時50人以上の場合定期健康診断実施後遅滞なく定期健康診断報告書を労働基準監督署に提出義務があります。健康診断個人票も5年間保存義務があります。
安全衛生法では会社に健康診断の結果(有所見者にかかわるものに限る)に基づき当該労働者の健康を保持するために必要な措置について3か月以内に
医師または歯科医師の意見を聴かなくてはならないとあります。
医師の意見をもとに必要があれば労働時間の短縮等必要な措置をとらなくてはなりません。 過労死の予防として脳疾患
心臓疾患に関する一定の項目に異常な所見のある場合二次健康診断等給付を社員は受けることができます。
〇健康診断をした記録は その記録を会社に開示する義務があるの?
→会社に5年間記録保持義務があります。 そもそも会社が把握しないと健康保持のための安全配慮義務が果たせません。
法定項目については診断結果が原則会社に属する情報です。 ただし個人情報ですので厳密に取り扱わなくてはなりません。
再検査や法定以外の健康診断の項目については本人の同意が必要です。
〇ストレスチェックなどによる精神疾患 うつなどの健康診断情報は
→ストレスチェックの場合まず質問票(57ほどの項目)を配布
→質問票は医師やその補助をする実施事務従事者が回収(第三者や人事権をもつ人は閲覧不可)
→質問票をもとに医師などの実施者が高ストレス者と選択し面接指導→労働者から申し出があった場合面接指導を事業者はさせなくてはいけない
その後就業上の措置の必要があればその内容につき意見を聴き労働時間の短縮などの措置をとる
→結果は直接本人へ(企業が知るには本人の同意が必要)
→保存は医師などの実施者が厳密に保管(5年間保存義務)ストレスチェックや面接指導の個人情報取扱者は法律で守秘義務が課され違反した場合刑罰あり
という流れです。 もちろん面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧 不当な配置転換は禁止です。