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医業・介護(内科編)

 診療所はほとんどが無床診療所で増加し続けている。
 当然ライバルも多いため、糖尿病、腎臓病、肝臓病などの専門に得意な診療科目を打ち出しているところも増えている。
高齢化社会において高齢者の患者に占める割合が増加しており特に循環器系に多い。
内科の場合患者が近隣であることが多く、「かかりつけ医」として地域に根差した医院が多い。

季節ごとの変動は、やはり流感期の秋から冬にかけてがピークとなる。 損益分岐点売上が黒字で3970千円 患者数で37人ほど(TKC M-BAST)
予防接種、特定健診など健康診断なども多い(消費税課税)社会保険診療報酬等に関する給付は事業税が非課税となる。(事業税の中間申告なし)

医業内科のポイント

内科
★概要
一般内科は全診療所の64% 特に無床診療所は増加中 特色、強味 高齢者中心
糖尿病や腎臓専門が数は少ないが増加率が大きい。

★税務会計注意ポイント
医業未収金の漏れに注意
査定減は減額 返戻は再請求を行うので経費処理しない。
消費税のかかるもの 特定健康診断、予防接種 診断書作成料 
社会保険診療報酬等には事業税がかからない。
自賠責・労災・治験・自治代予防接種 自治体健康診断など入金まで時間のかかるものもあるのでもれに注意
医療機器については500万以上の限定したいっていの機器が特別償却の対象 レセコンソフトウエアは特別償却の対象(70万以上)
医師会の経費で医師年金、政治連盟会費 生命保険料 1種保険料 共済 などは経費にならない
租税特別措置法の適用は総収入7000万以下
業者材料費の中に機械、備品 保守料などが含まれていないか請求書で確認

★増患ポイント
患者の満足度を上げる  スタッフ教育 設備等定期的なリニューアル
清潔感、満足度 特に地方は車を止めやすい広い駐車場の確保
専門 強みを打ち出す。 自費のウエートを上げる。 ケアハウス 有料老人ホームなど介護事業への展開
在宅対応 差別化 患者訴求 症状対応 不眠クリニック 糖尿病外来 禁煙外来 漢方外来 ペインクリニック
かかりつけ医として良い医院(近い、良く説明する。必要な場合専門医を紹介 信頼できる)
学校医・園医 予防接種 検診などでかかりつけ医として認知

★指標
一日あたり37人 損益分岐点収入月397万

★労務
医療法人で労働分配率 人件費/医業収入-原材料委託費用)で64%
個人で31%程が平均で目安となる。
借入などがある場合借入返済比率も含めて7割未満に抑えたい。
人件費は医業にとって最大の経費となる
保険医療業は10人未満の場合週所定労働時間を44時間とすることができる。
年平均給与 (千円)
院長 薬剤師 看護職員 看護補助 事務 医療技術者 役員
医療法人 12252 8576 3843 2225 2969 4349 5151
個人 – 10102 3659 2299 2931 3911 –
現在の傾向として皆勤手当・住宅手当・資格手当などは見直しの傾向
1人で複数の仕事ができる体制(事務⇔看護補助) パートタイマーの活用 部門別損益のため仕事ごとに給与を部門区分する。
スタッフの医療自己負担分を福利厚生費  診療収入とすることができる。

★医療法人化によるポイント
役員退職金及び役員退職金のための保険加入ができる
社会保険加入、法人化による良い人材の確保
介護事業の展開が可能
社会保険診療報酬の源泉所得税がなくなりキャッシュフローはよくなる
高額所得税の場合課税所得1000万以上なら法人のほうが有利
持分の定めのない医療法人の場合子孫後継者への相続税の負担が低い

業種ごとの会計ポイント(医業収入経費)

 医業の会計のポイントチェックリスト
収入の漏れはないかと経費の(医業独特のものを含む)妥当性となる。
★まず収入面
未収入金の計上漏れ 
月遅れ請求などの漏れを把握
査定減はいったん調整再請求の際に未収金計上
返戻分は再請求をそのまま行うので減調整しない。
入金処理が比較的遅い予防接種、学校医、特定健診(3.4か月かかる)、治験収入、産業医などによる収入に注意 個人の場合は産業医は給与所得扱い 診断書文書料 労災、自賠責保険なども期間が長いものがある
請求でなく実際に施術をした日の属する月の収入
上記の収入は消費税も課税となる。 非課税となるもの 社会保険診療収入 国保 医療助成 労災 自賠責収入 社会保険国保等は事業税は非課税 医療法人は中間申告事業税分不要
その他売却収入なども注意

内科医院は自由診療の割合が少ないため収入面より経費の細かいところが見られる傾向にある。
★経費面
医療原価→通常の仕入れ業者より医療器材などを仕入れとして処理していないか 
棚卸資産→期末購入部分の棚卸 特に預け在庫になっているものなどの注意 
交際費会議費→個人的経費とされがちのもの 同窓会会費 政治家パーティー券 出身大学や子女の大学入学にからむ寄付金 医師会や保険医会の会費のうち保険料や政治連盟会費 生命保険料など明細確認
人件費→青色事業専従者の給与の妥当性 非常勤医に対する乙給与の支払い 
医師会費→入会金は5年繰延資産 会館負担金も同様 医療法人なりした場合未償却の繰延資産は引き継ぎできないし全額経費にもできない。
保険→医療法人の場合は一定の保険は経費化できるが個人の場合は生命保険は所得控除 所得補償保険も経費化できない。 賠償責任保険は経費化できる。
従業員→学費貸与は貸付金扱いにされ変額不要になった時に経費可能
学会参加→経費可能 ただし海外などの学会参加で観光部分は除く
特別償却資産→高額医療機器(措置法45条の2)取得価格500万以上で一定のもの12%特別償却 電子カルテシステム レセコンなどのソフトウエアは投資促進税制70万以上
車両、医療機器などは減価償却は事業のように供した日から減価償却ができるため車両は納車し実際に乗用してから、機器はテストが終わり実際に事業供用されてから
租税特別措置法 総収入7000万以下で判断有利不利
医療法人は経営セーフティ共済はできない(個人は可)小規模企業共済も同様 商業・サービス業農林水産業の特別償却も不適用
修繕費と資産計上も注意 修繕費となるものLED電球交換 CT官球交換 医院の外壁塗装 内部クロス張り替え 待合椅子張り替え 医療機器・防犯機器の修理 便器などの取り換えは資産計上する。

医業は税務調査の対象になりやすいことから日頃の経理をきちんとしておく、特に個人は事業と関連のある経費かどうか内容も含めて記帳しておくことが肝心だ。
税理士書面添付制度の利用も進めたい

事業ごとの会計(エステ、理容院、美容院)

美容業界全般について高齢化のため来店頻度は減少している。 
開業率も高く、自宅等でも開業できる場合が多いが、スタッフを抱え大きな店舗で運営する場合、固定費が高くなるため資金繰り等が重要になってくる。
経理上は美容院、理容院ともに現金商売のため毎日の売上金の管理が重要となっている。

 クレジットカードの売上の場合は手数料を把握し売り上げのもれがないようにする。
ポイントカードや値引きなどをした場合は値引き後の金額(売上値引として計上も可)が消費税の課税売上となる。 消費税課税事業者の場合労働集約性の高い業種であるため簡易課税制度(第五種、物販は第二種)の方が有利な場合が多い。

 競争の激しい業界のため特に美容院はホームページ、ちらし、はがき 誕生日割引など広告宣伝費の計上が欠かせない。
ホームページの制作費用は通常のサイトであれば広告費用として計上できるが予約システムなどが導入された高度なプログラム機能のあるものはソフトエアとして5年で償却する(30万未満は少額取得資産として経費化可能)
飲食店も同様だが税務調査ではSNSやホームページなども必ずチェックされるので営業されている範囲の売上をもれなく計上することが肝心である。

従来は理容院、美容院とも少人数の家族経営的なお店が多かったが現在はチェーン店化、回転率や値段で勝負する1000円カットなど様々な形態が出てきている。
基本的に原価のない商売であるので(物販のぞく)家賃、人件費、広告宣伝費が主な経費であり、個人的経費の混入がないよう注意する。
お客様の意心地の良さと満足を得るために日々の技術の向上と店舗の環境整備(サロン)接客技術を高める工夫が必要となる。
この業界も人手不足のため、より良い人材の定着が肝心であり、スタッフの福利厚生も気を付けたい。 指名、施術の数によってインセンティブ制度をもうけやりがいを感じてもらう 
 福利厚生に係る部分は経費となる(社員旅行、食事会、飲み会、セミナー等勉強会など)

エステサロンなどは毎日現金として売上する以外に、契約により料金を前受けする場合もあるためその場合施術に伴い売り上げを計上する。 エステサロンの器具備品は高額な場合もあるため設備投資の金額も大きくなる
場合がある。 
その他ネイルサロン、脱毛などの新しい分野も増加してきている。
立ち上げの際には有効な広告宣伝と新規客ばかりに目を向けずファン客になっていただけるよう固定客のサービス 取込が肝心となってくる。

事業ごとの会計(塾、カルチャースクール)

日本の少子化がどんどん進み学習塾などはチェーン大手が増加し、業界全体が再編、集約されてきている。
一昔前と異なり大学増加受験生減少で浪人してまで大学に入らないことから大手予備校ですら閉鎖がニュースに取り上げられた。
昔ながらの大人数方式より有名講師のDVDによるネット配信形式、少人数制、個別指導方式などニーズに沿って多様化している。

一方ゆとり教育から学習時間の増加英語、プログラミングなどの新しい科目の追加などである種環境に応じた特化による生き残りが必要になってくるのであろう。
通常学習塾などの経理については
入会金、受講料、教材料(含まれている場合もある)模試等となる。
その学ぶコースごとに料金が定められ前受金として先に金額を払うケースは、その授業の進行に応じて収益に計上する。
またつかわれていない在庫なども期末に棚卸として計上する。

 経費も三大経費と呼ばれる家賃、講師料、広告宣伝費 
講師は他に職業をもったり大学生であったりする場合も多いため源泉徴収に気を付ける。

 また資格学校なども就職難であった時代はダブルスクールと持ち上げられ資格がブームになったこともあった時代はこの世の春であったが今は市場規模自体6割と減少している。
資格の内容も時代に沿った医療介護保育系、公務員系のほうが伸びており士業などの資格受験生は年々減少している。
現在はアイパッドなどのネット配信など授業形式でない講座も増えているが料金はさほど変わらず、これも授業料をコースごとに前受でとる形態なため収益を役務の提供ごとに実現する必要がる。

 高額な受講料に対するトラブルなど英会話学校などでたまに聞く。 クーリングオフ制度は通信教育には適用さ語学教室,学習塾,家庭教師,パソコン教室などは、特定継続的役務提供に該当し、講座期間が2ヶ月以上かつ入会金・受講料・教材費などの合計が5万円以上の場合にクーリングオフの対象になる。その場合、契約した日から8日以内であれば書面でクーリングオフをする。
中には返品不可、中途解約できないまたはするとしても高額な解約料を取るケースもあり、ネットで簡単に申し込める時代だけに良く判断する。

 教育訓練給付制度は拡充されている(給付金の対象講座が拡大)通常3年以上雇用保険被保険者(初回は1年)が指定する講座を受けると雇用保険制度から授業料等の20%(10万を限度)が受講者に直接支給される。
専門実施教育の場合助成額50%(年40万限度 資格取得した場合最大20%追加)と大きく増額されている。(指定講座も拡大)
 税制面でも特定支出控除の拡大などがあり後押しがあるものの全体としてスクール関係は市場が飽和していて厳しい状況である。

 カルチャースクールなど高齢者向けの講座は今後も伸びる可能性がある。 講師等でも報酬による契約(原稿料、技芸、スポーツ等講師謝礼)の場合は、報酬として10.210%の源泉徴収をする。
支払調書に記載する支出した金額は交通費、車代を含める。

業種ごとの会計(葬儀業)

冠婚葬祭全般に一昔前より地味となりジミ婚、家族葬(家族のみ) 直葬(火葬のみ)が流行る昨今
葬儀業も超高齢化社会 多死社会で需要はあっても単価が減少している環境  イオンや家族葬専門の業者など他業種からの進出もあり競争も激しい。

結婚と違い葬儀は事前に料金、値段、設定などを決めていない上に一番精神的に落ち着いていない時期だけに、業者にいわれるがまま高額な設定にされてしまうなどという不明朗な金額設定にクレーム等も多い業種である。
通夜、告別式 御礼品 食事代 バス代 霊柩車代 葬儀料はほとんど消費税の課税取引であるが、火葬料だけ区分している場合の火葬料、お寺のお坊さんへの支払い、戒名料は消費税は対象外

これらのうち相続税の債務控除の対象となるのは運送費、葬儀費用、火葬費用、会葬御礼品 お寺等の支払い で対象外となるのは初七日 香典返戻品 墓地等の購入(生前に買えば非課税)
収益の計上はそれぞれのサービス提供ごとに把握する。
葬儀会社が僧侶派遣会社から派遣したお坊さんからリベートとして戻していたお布施の一部を所得隠しをし、5億所得隠しをしていたという東京国税局による脱税摘発もあり病院 僧侶等とは
リベートをもらう側 払う側にもなりやすくきちんとした会計処理が求められる。

寝台車、霊きゅう車ともに緑ナンバーの一般貨物自動車運送事業の許可がいるため外部の運送業者に依頼しているケースもある。
料理も仕出し弁当、配膳など外部依頼をするケースもあり外注と給与、人材紹介などの区分も明確にする。お酒を御礼品として売る場合は酒税の許可もいる。

また互助会等葬儀のための積立金制度を設けている会加入の場合の経理処理にも注意する お祝いの式と違いどうしても性質上おおっぴらに宣伝広告営業ができない業界のため
こういった事前囲い込みの制度があるが積立金で賄えないケースや解約金が大きかったりなにかとトラブルも多いようだ。

 

事業ごとの会計(障碍者福祉事業)

 障碍者福祉事業は平成18年より障碍者自立支援法の施行により障害福祉サービスとして就労支援事業が整備された。

就労支援事業会計により就労支援事業別原価明細書を作り就労支援事業より得た収入ー就労支援原価の差額剰余金は工賃(雇用契約有は賃金 雇用契約なしは工賃を利用者に払わなければならない)とされている。
社会福祉法人などは一部剰余金を目的積立金とすることができる。

従来は授産事業と呼ばれるもので生活介護や施設、グループホームな主体がNPO法人や社会福祉法人が主であったが
就労支援事業などは民間にも要件が緩和されたことにより民間経営も増えてきている。

障碍者福祉サービスのうち自立、自活 社会復帰のための訓練、作業などによる物品の販売、受託作業などの資産の譲渡等は消費税の課税取引となる。(免税事業者は消費税免除)
指定事業者の場合、介護給付費を国保連に請求(介護給付費は消費税非課税)
利用者より介護給付費の10%を原則受領。利用者負担金収入 利用者が償還されるものもあり(非課税 食費、居住費等も非課税)

デイサービス系は
生活介護 常時介護を要する障碍者に対する日中活動、排せつ食事 創作生産活動の機会の提供
自立訓練(機能訓練)
就労移行支援 就労を希望する障碍者につき一定期間生産活動等の機会を通じて就労に必要な訓練等を行うもの
就労継続支援A型 通常の事業所に就労は困難であるが雇用契約に基づき就労の機会を与え必要な訓練、支援等を行うもの
就労継続支援B型 通常の事業所に就労が困難であり雇用契約で働くことも困難な場合の就労の機会の提供等で就労のための知識能力の向上などの訓練支援を行うもの
その他日中一時支援事業(市町村管轄)障碍者の日中活動の場の提供 障碍者の家族のレスパイト

共同生活系のサービス
共同生活介護(介護給付費収入)または共同生活援助(訓練等給付費収入)に対する介護給付費収益を国保連に請求  
利用者負担金収益(自己負担分 食費 居住費)

その他相談支援サービス(自己負担なし) 訪問サービス 障碍者児童向けサービス

NPO法人の障碍者福祉サービスについて国税庁の見解が公表されています。 納税義務のないと理解していた事業所も多く一時話題になりました。
原則として保険衛生業として地方公共団体 社会福祉法人以外は申告義務があります。
但し書きとして
実費弁償方式(1個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもの、2ごく短期間に実費精算が行われるもの、3手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められ、仮に剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっているもの)により行われるもので、あらかじめそのことについて税務署長の確認を受けた場合については、収益事業としないものとされ(法人税基本通達15-1-28)、また、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされますので(法令52二)、いずれかの場合に該当するときには法人税の納税義務はありません。
 なお、法人税の額は、各事業年度の所得の金額を課税標準として、その所得の金額に税率を乗じて計算する仕組みとなっていますので、公益法人等が納税義務者として、法人税の申告をする場合であっても、収益事業から生じた所得がない(例えば赤字)場合には、納付する法人税額は生じません
障碍者を反数以上雇う場合NPO法上で申告義務がないとされています。
A型の場合実際の生産活動等より賃金を支払うよう改正され補助金頼みの経営が厳しくなってきている。
障碍者を雇用した場合特定求職者雇用開発助成金もある。受給者証の暫定受給者、期間の定めのあるもの、離職率の高い事業者は対象外にされ厳しくなっている。 
これらの助成金だのみのA型事業所については閉鎖も増えており補助金、助成金だよりの安易な事業計画は危険である。

有料老人ホームとサービス付高齢者住宅の違い

社会福祉法人などによる老人福祉施設  社会福祉法人主体の特養やケアホーム、NPO法人などのグループホーム以外の民間の場合の違い 

有料老人ホームで民間の場合、多額の入居一時金を払う場合(払わないケースもあ)が多い。
この入居一時金は、その有料老人ホームでの居住権、終身利用料 家賃利用料の前払い的費用の性質があるため
期間に応じて収益に計上する。

 資産の賃貸借のうち契約において保証金等として受け入れた場合も返還しないことが契約等で明らかな部分はその返還しないこととなる日の属する事業年度の益金にする(法基本通達2-1-41)
敷金のように退去時変換するものは保証金としておいておくが返還しないものは収入に計上しなくてはいけない。 
消費税上も介護サービスや居住費用は非課税だがそれ以外の介護サービス以外のサービス、に非常生活費以外の費用は課税となる。

有料老人ホームは、厚生労働省の管轄で特定施設として介護サービスを提供する場合は、介護報酬を家賃以外に収益として計上でき、外部の介護サービスを利用しない場合が多いため
経営は比較的安定しているといえる。 

一方サービス付高齢者住宅は国土交通省と厚生労働省が高齢者住まい法により高齢者のための安心できる住宅として作られた制度である。
基本的に見守りと相談が必ず住民に提供しなければいけない義務であるが、外部サービスは別途住居費以外に外部の介護サービスを依頼するケースが多く
介護度の低いケースが多いため介護保険からの収入はあまり見込めず、家賃なども今のところ高額なケースも多く通常の入居マンション同様空き家リスクもあり、地主の投資先としては比較的リスクが大きい対象となる。
介護保険法の改正により医療法人などによるサービス付高齢者住宅などに対する単価引き下げなどもある。

サービス付高齢者住宅は、介護事業者のサービスによりサービスレベルにばらつきがあるうえに、入居するものの介護や病気の度合いによってはまた退去をするケースも増えてくる可能性がある。
有料老人ホームと違い、多額の入居一時金を負担する場合は少ない。

いずれにせよ自宅以外の低廉で入居できる指定老人福祉施設(特養)などが50人待ち100人待ちと言われている中高齢者にとって自宅で介護できなくなった場合の安心できる居住施設は今後も増える見込みであろう

業務ごとの会計(警備保障業)

 警備業は警備業法により県公安委員会の認可を受ける必要があり、指導教育責任者資格などを持っているとよいでしょう
警察OBなどは実務経験で講習のみでとれるものなので警察を辞めた人が警備業をやっていることもあります。

1号警備業務(空港保安・施設)2号警備業務(雑踏・交通誘導)3号(貴重品等運搬)4号(身辺)とあるがほとんどが1号2号の施設警備 交通誘導等が多い。

また警備業務に従事させる前に教育が義務基本15時間業務別15時間 また資格取得をすることにより公共団体の受注にもつながるため
警備業に係る資格 警備業務検定などです。
これらの資格を取らせるための費用を負担した場合は福利厚生費として経費処理できます。

大手は機械警備システムなど多額のコストと信頼力があるため 大きな施設や機械は大手
中小企業の場合は建設工事等の道路警備 駐車場誘導などが多く、特に工事に伴う警備については公共事業などの受注(指名願い)などが必要である。

防犯カメラや災害防止のための火災報知器などの設置なども合わせて行うもの 施設の保守警備を長期の契約で行うものなど様々な形態がある。

 60歳以上の定年者を雇用するケースが多いので特定求職者雇用開発助成金の対象者が多いのも特徴だ。
ただし、ハローワーク経由で採用する事
助成額もかなり減少し、60万(30万ずつ2回中小企業)となり
離職者が多かったことから改正により対象助成金雇用者の雇い入れ1年後の離職割合が50%を超えると新たな労働者の受け入れについてこの助成金の支給は受けられなくなった。
たとえば30年4月1日Aが助成金対象とすると基準日は31年4月1日とし、その前後6か月の離職割合で判定する。
いずれにせよ入退社が多いケースが多く労働安全衛生上の配慮(熱中症等)も必要なので労務管理が税務上も労務上もリスク回避のために必要となる。
日払いや前払いも多い職種なので給与や経理上注意する。
領収書が出ない経費 電車代バス代 自動販売機代などは出金伝票や立替帳などで把握すれば経費化は可能であろう。

売上の計上については日または月単位で請求する場合が多く、スポットや小口の売上の現金などの回収も漏れなく計上することが肝心だ。

業務ごとの会計(IT企業 プログラマー ウエブ ゲーム制作)

 受託しプロジェクトを工期にそって進行し、検収 引き渡し 受注企業からの前受金 追加メンテナンスなど
ソフトウエア開発などの事業は建設工事と似た会計といえる。
 通常は完成し引き渡しとともに売上を認識するが、一定の段階ごとに納品日入金など契約が定められている場合は部分完成工事基準のようにその都度売上とすることもできる。

 建設や製造と異なりネットの世界は現実に「もの」の引き渡しがないため売上の計上基準が重要となる。建設同様まだ完成していない部分の棚卸計上も期末に必要となる。
ソフトウエア、ネットに係る産業はほとんど人件費によるものが多いため、通常の給与等は対象にならず、外注、材料等が期末棚卸となる。

 プログラムなどの作成のためのプロトタイプの費用など試験研究に要した費用は試験研究費控除の対象となるので別途科目を作り把握する。 試験研究原材料費、試験研究にもっばら従事した人の賃金 試験研究委託費である。
IT分野では、システムエンジニアやプログラマーを他社に派遣する業務も多い。この場合相手先の指示に従うようなケースがほとんどであるので「派遣」という形を取ることが多く派遣業の許可も必要になってくる。

原則としてプログラム開発などは長期に時間と開発費がかかるため相手先より前受金を受けることも多い。 売上に対応する収益計上を忘れない。
業務管理システムなどは急速にクラウド化が進んでおり、AIの発展、公的分野も含めた自動化の仕組みを言う将来性を考えると人材不足が今後ますます拍車がかかる分野となる。

 販売管理システムなど高度なシステムを導入した企業側はその金額にもよるが、外注費などにより処理せず30万を超えるものはソフトウエアとして6年定額法で減価償却する。

 一方ウエブなどの制作事業も広告業界を含めて内容が日進月歩の世界のためエンジニアが不足している。 安価にできるウエブ高品質のウエブ制作と二極化しており
と企業自体ネットで販売、管理するシステム構築が必須の時代にあり高度なウエブ制作を請け負える企業 その後の管理業務を含めてますます需要がある。

 ホームページなどの場合は作成してもらった方は、通常広告宣伝費で経費化できるが、高度なプログラムなどを導入したものはソフトウエアで減価償却となる。
ゲーム制作は多大なコストがかかる影響からか大手が多いがスマホゲームを中心に大きな成長分野なので今後も人材不足の業界になるであろう。

業務ごとの会計(リース会社 借りる側貸す側)

平成20年4月より「リース会計基準」が導入されリース取引のうちファイナンスリースに関する税務上の取引はリース料ではなく売買として計算されることになりました。
リース取引にはファイナンスリース取引とオペレーティングリース取引があり、後者は賃貸借取引として従来通りリース料として処理をする。(平成25年9月30日までに締結したリース取引で引き続き
資産の賃貸借を行っているものは経過措置により5%になる場合があるので注意する。)

 ファイナンスリース取引にも所有権移転外取引と所有権移転取引と別れます。 所有権移転取引とは
譲渡条件がついていないもの
割安購入選択権のついていないもの
借手以外以外使わない特別仕様のものなど
リース期間が法定耐用年数の60%-70%の年数を下回るもの
契約終了において再リース料などを払うもの

こういったもので所有権を実質的に買い手に与えてしまうもの
上記のような条件のつかないものを所有権移転外取引といい、中小企業では原則によらずリース料として処理することができます。

リース会社からすると売買として取り扱われ、長期割賦販売の課税の繰延経理ができる。(月賦等で3回以上分割 2年以上期間)

リースバック取引など実質的に金融取引とされて取り扱われることがあるので注意。
金融取引とされない場合でも売却損益を長期前受収益や長期前払費用に振り替える。

リースを受ける側の注意は契約によりそれに沿った会計処理をすること
資産の売買として処理した場合は取得時に仕入税額控除が全額できる。
リース料の支払い時に割賦金を取り崩す。 利息を区分していれば区分経理
リース資産  リース債務として処理し減価償却をする。 固定資産の取得として処理しているにもかかわらずリース会社への支払いということで間違えてリース料にしないよう注意が必要

リース会社側からする注意点は、たとえ中小企業等の特別償却の対象となる資産を取得してもリース対象資産は対象にならないこと
リース会社自体金融会社的な側面もあるため資金繰りに注意を要することである。

リース資産を倉庫等に保管する場合の警備等の費用は経費となる。リース料(販売費一般管理費)は通常短期前払費用の特例の適用があるが原価に対応するものは適用できないため注意を要する。
リース物件の仕入れと自社保有資産(資産計上)の仕入れの区分を分ける。 これもどの業界にもいえることだが仕入と自社保有資産が混入していないか請求書で良く確認する。
これはすべての会社の経理に共通するところだが、販売仕入管理ソフトまたは売掛金買掛金の二重計上防止や支払管理のためにも会計ソフトには補助科目をつけて管理することも大事なこととなる。
クレジットによる決済については現金との二重計上がないよう注意する。
1年以上取引停止をした得意先については備忘価格を残して貸倒損失が可能になることがある。

業種ごとの会計ポイント(農業)

 農業 特に個人の農業所得は事業税が課税されないため 農業所得とそうでない所得の区分が大事になる。

例えば
農協の出資配当 配当所得
建物更生共済など共済金の満期共済金 =一時所得
農業委員会の委員報酬=給与所得
また農産加工業、農家民宿、農業兼営でない畜産・酪農業は事業所得となる。 肉用免税も農業所得にならないと適用されない。

また農業には様々な補助金などの雑収入がある。
消費税のかかるもの かからないものに分けて区分すると
受託作業料=雑収入(課税)
農事組合法人から受ける従事分量配当金(課税)
農機具10万未満の売却や農機具の賃貸料(課税) 農機具などの譲渡は譲渡所得となる。
農作業受託料(課税)
農業組合法人から受ける従事分量配当は雑収入(課税)

補助金などで消費税が不課税なもの
価格補てん金 直接支払交付金などの作付助成
規模拡大交付金
収入減少緩和交付金等

青色申告法人で認定農業者等の個人、農業生産法人、認定新規就農者が水田活用、畑作物のための直接支払交付金などを交付された場合、農業経営基盤強化準備金という特例がある。
その交付金を受けたとき認定計画を立て、農業経営基盤強化準備金として積み立てた金額(交付金の額を限度とし、その年分の事業所得の金額を限度とする)を経費とすることができる。
7年後に積み立てた分で取崩していないものは収入になるので青色申告特別控除や所得控除を加算した所得を限度とすると無駄がない。
特定農業機械等を取得した場合は、準備金を取り崩し同額を圧縮損にしてさらに減価償却を通じて課税の繰延ができる。
準備金を積み立てていない場合は直接交付金で圧縮損をすることができる。

またこの規定を受けないトラクターなどの新品の農業用機械は青色申告中小企業等の機械等を取得した場合の特別償却の対象となる。

農業の原則は収穫基準だが、収入の計上基準はJAや市場を通す場合
野菜は受託者販売日基準で手数料等は控除する前の総額で計上 手数料は経費となる。
米はJAでいつ販売されたかは不明になりますので概算金、精算金で計上してもよい。
自家消費の金額は課税売上とする。(所得税では通常販売価格の7割、消費税では5割)

野菜については生鮮食料品の性質上棚卸は省略できる。
また何年も果実のなる果樹などは減価償却の対象となる。(実がなるまでは育成仮勘定 もも 5年 なし 8年 りんご10年 みかん 15年)その後は各々の生物の耐用年数による。

農業は簡易課税制度を使うことも多い 通常第三種だが作業受託収入は第四種 賃借などは第五種 75%以上第三種ならすべて第三種が使える
今後消費税の軽減税率が使われると売り上げは8% 仕入は10%ということになるため本則課税の方が有利になるケースが出てくる。
改正で消費税のみなし仕入れ率を平成31年10月1日より第二種80%に引き上げられる。
いずれにせよ簡易課税制度適用不適用はその事業年度開始前までに提出しなくてはならないためシミレーションが必要であろう

業種ごとの会計ポイント(飲食業)

 飲食業は店舗投資から始まり家賃、人件費などの固定費もかかることから最初の初期投資が大きくなり融資も必要になる。
改装の場合は原則として造作部分の耐用年数を見積もり減価償却する。 店舗簡易設備、陳列棚、カウンターなどは耐用年数3年で償却できる。
特定中小企業者で青色申告者の場合経営革新等支援機関(税理士等)による指導助言を受けた旨の書類を交付した附属設備60万以上 器具備品30万以上は特別償却または税額控除の対象となる。

 中華、日本食、レストラン、寿司 そばうどん 焼き肉店など業種は様々だがチェーン店などに押されて、個々の優位性がないと年々厳しくなっている。
税務調査などのポイントは売上 現金管理など レジと売上があっているか 現金の売上漏れがないか 人件費など なかには無予告調査が行われる業種でもある。
 今はカードによる支払も増えているのでカードの未収分手数料の差引なども把握する。

 食事券などを発行する場合はその食事券で食事券を使った時に売上となる。 ポイントカードなどを使った場合は、売上値引きとして処理するかポイントによる値引きを引かれた部分が売上(課税売上)となる。
現金売上は印紙税が5万以上の場合必要になる。(消費税別途記載なら消費税抜きの金額)

 従業員はパートアルバイトが多いため源泉所得税をきちんととる。 非居住者の場合原則20.42%の源泉徴収となる。
まかないなどの食事は月3500円以下2分の1以上従業員負担で給与課税されない。 自己飲食の自家消費は通常価格の70%(消費税は50%)の価格で売上計上しておく。
勤務時間外の残業職などは現物給与にしなくてもよい。

 食料品は在庫として保存するのも鮮度の問題もあり限度があるが調味料、お酒 原材料なども含めて在庫計上の計算をする。

 次の消費税の改正で外食、お酒は10%となる。 出前は消費税簡易第三種軽減税率 テイクアウトも消費税簡易第三種軽減税率 レジ横などにおく食料品の販売は第二種軽減税率となる。
消費税増税に向けて軽減税率対応のレジについては補助金の対象となる

 

業種ごとの会計(産業廃棄物)

産業廃棄物と一般廃棄物との違いは簡単に言えば事業活動によって生じた廃棄物のうち一定のもの 特定の業種から排出されたもの 20種類
一般廃棄物とされる一般家庭のごみとは区分する。

 許可業種収集運搬、中間処理、 最終処分と業種、許可権者ごとに取得するので数は多いが重複している。
建設工事現場などに出入りする業者は収集運搬の許可を取ることが多いので収集運搬の許可は兼業が多い。

 産業廃棄物処理においては広い土地や装置が必要な装置産業であり、多額の投資 厳しい法規制も必要となることから参入障壁は比較的厳しい業界ともいえる。

 一般の場合はごみとして一括処理して料金を徴収する。
 産廃の場合は 通常は産業廃棄物の場合、個別払いかつ直接払いとなるので、処理をしたい業者から廃棄物を受け取った時点で対価を受け取る時点で収益計上をするのが通常となる。
 廃棄物を有償で引き取り(仕入)廃棄物から金属などを選別 加工して販売する場合は、販売した時点で売上となる。 仕入て売れていない部分は加工中のものを含めて在庫計上する。
 その時の金属等の相場により仕入価格は変動する。 また業者に支払うお金は現金取引のことも多く建設業者などの雑収入もれの反面調査の対象にもなることもある。
 産廃の場合、処理前に委託契約書を締結しマニフェストの交付を法律上義務つけている。
 
 産業廃棄物の減価償却はその他の設備で17年 クレーン車 ブルドーザー パワーシャベルなど建設工事でも使うような建設機械は機械装置として処理する(新品なら特別償却の対象となる)

 
 

業種ごとの会計(介護事業)

超高齢化社会の日本にあってマーケットとしては成長分野産業ともいえるのが介護事業だ。
医療と同じで制度により報酬も定められているため大きく利益が出る構造になっていないにしろ働く人を含めて
様々な業態から介護事業への展開が広がっている。
介護保険制度が始まった平成12年 介護事業は法人しか指定事業になれない。 平成18年より要支援者に対する予防給付制度が開始 地域包括支援センターかそこより委託された指定居宅介護支援事業所が行う。
社会福祉法人、NPO法人、株式会社など色々な形態がある。 施設などもあり社会福祉法人の認可のあり税金は非課税の社会福祉法人については資金収支計算書と損益計算書を
同時に対応しなくてはならない上に事業区分、サービス区分による経理が必要なため専門の会計ソフトでないと対応が不可能といえよう。 NPO法人も固有の会計処理がある。

ここでは一般の会社の介護事業のケースを取り上げてみると
介護保険の会計は介護の種類ごとに算出区分する必要がある(監査もあり)
事業所ごと サービス(デイサービス、訪問介護サービス グループホーム(共同生活介護) 居宅介護支援(ケアプラン作成)ごとに部門会計を設けて記帳する。

収入も利用者負担金部分と国保連請求部分に区分する。 サービスごとに区分 その月の提供サービスを翌月10日までに申請し申請つきの翌月に国保連より支払われる。 (医業と同じ2か月遅れ)
収入も明朗なためあまり税務調査に入られるケースも比較的少ない業種かもしれない。

介護保険のサービスはほとんど消費税は非課税となる。医療費控除の対象となるのは、老健などの医療系サービス 訪問看護サービスで 老人福祉施設(特養)などは1/2が対象となる。
グループホームや介護付き有料老人ホームのサービスは対象外となっている。

 労務の面でも夜勤や交代制など介護サービスは不規則になりがちであり、人手不足もあり人材の確保が一番の課題となる。
労働法規の順守が徹底され労働法令違反で罰金刑以上は指定取り消しを行うことができると介護保険制度改正で盛り込まれた。 処遇改善加算などの対応もあり職員への給与制度もきちんと整備する必要がある業種でもある。

業種ごとの会計ポイント(人材派遣業)

 比較的業として後発組である業種に民間介護事業と人材派遣業がある。

そのうちの人材派遣業について
人材派遣は制度法改正に翻弄されてきたものの 法改正により労働者派遣事業は届出のみで常時雇用する労働者のみ派遣する特定労働者派遣事業は廃止され
すべて一般労働者派遣事業で許可及び更新をする必要となった。

特定労働者派遣事業を営んでいたものは経過措置として平成30年9月29日までは特定労働者派遣事業を継続することができるがもうその期限は非常に差し迫っている。
特定から切り替えで

まず純資産要件を満たすことが一番大事なことである。 その後許可更新年には要件を満たすような決算になるよう純資産及び現金預金の残高に注意すべきである。
2000万×派遣事業所数
現預金1500万×派遣事業を手掛ける事業所数以上

社会保険などの加入、個人情報保護、教育訓練
派遣を禁止されている業務は港湾運送業務、建設、警備、医療、弁護士などの士業です。

会社設立時から資本金等が2000万以上ということは消費税の課税事業者となるので初年度は簡易課税の選択届出書(五種)を提出しておくといいでしょう。
派遣事業は売上が課税売上で原価である給与、社会保険料などは消費税の対象外のため業態としてとても消費税負担が大きい業種です。

会計のポイントは締め後の売上と締め後の派遣の給与を対応させること。 派遣の給与は原価のため費用収益対応をしなくてはならないからです。
未収収益と未払給与の計上がポイントです。

 派遣業の許可更新の書類と有料職業紹介事業の許可更新の書類は提出添付書類に共通しているものも多いためどちらも許可を持っている人材派遣会社が多いようです。
人材紹介や転職支援などでもこの資格が必要です。
国際間にわたる紹介に関しては現地国との業務提携先があることなどの条件を満たしたうえで特別な許可が必要です。

 紹介予定派遣の場合はこの許可を持っていないと紹介料をもらえないため必須の許可ともいえます。

派遣職員を受け入れる側の企業は人材派遣費(消費税控除あり)など適正な科目を作り人件費として把握したほうがよいでしょう。

業種ごとの会計(コンビニ)

 大手コンビニなどは店主が個人事業主となる形態が多い。

 コンビニを開業した場合最初の2年間はうまくいけば消費税がかからないため本部からくる損益計算書、貸借対照表は税抜経理のため税込経理に作り直しが必要となる。
地主の場合家賃収入が確定申告 家賃、交通費などの経費などを追加で計上する。

 小売り店などはどこもそうなのだがメーカー等から陳列棚、陳列ケース等広告宣伝用受贈資産があるケースがある。
メーカー取得価格の2/3が小売店の取得価格になる。
看板は受贈益の計上なし 1か所から30万以下の場合も同様である。
コンビニの場合は本部からの提供がほとんど
コンビニ経営は本部がロイヤルティーを4割近くとっているため決して楽な経営とはいえない セブンは「43%」なのに対してローソンは「34%」、ファミマは「35%」セブンイレブンは
利益率も他より高いため事業主に入るお金はそれほど変わらない
売上粗利益にロイヤルティーの率を乗じているのだがセブンイレブンなどは賞味期限キレや万引きなどの損失を原価から除外しているため高く設定されをそれをもとにロイヤルティーがチャージされている。
またドミナント商法の名のもとに近辺に平気で出店し競争激化で店主は休む暇がない。

会社形態で何店舗かのコンビニ経営をするケースもある。 会社形態だと社会保険の加入義務が生じ、人手不足の中人材確保が個人法人も問わず喫緊の課題である。
外国人留学生のアルバイトなどに都内は頼っているところもある。
今新しい在留制度導入や技能実習対象にコンビニを入れるようフランチャイズ業界が政府に要望をしている。

 セブンイレブン ファミマ ローソン いずれも土地建物オーナーと店主が別の人もあれば同じケースもある。 土地だけ地主 土地建物地主 
今時多額の家賃を払い続けてくれるテナントはコンビニ位なのだからこれらのコンビニから声がかかるようなところに土地を持っている人には、いい投資案件であろう。

 最初に払うフランチャイズ加盟保証金は繰延資産(5年償却)となる。
POSレジデータで詳細な会計データが送られてきてがっちり仕入、経費 売上を抑えられているので税務調査には比較的はいられない業種なのかなと思う。

 コンビニの業務はどんどん拡大している。 宅急便 ネット通販の受け取り口 公共料金支払や銀行ATM たばこやお酒 一部の薬品も取り扱えるようになった。
また地方は駐車場を広くしイートインコーナーを充実するなどほかの業種のよい所をどんどん呑み込んでいる巨大産業になりつつある。

 IYグループなども7割がセブンイレブンの稼ぎというからスーパーマーケットより市場規模は大きいのだろう

かくいう私は家の近くのファミマを一番利用するがなぜか購入はセブンイレブンが多く品物はローソン派だ。 都会に多いファミマローソンという感じがするが
ファミマもサンクスを買収し店舗を増加しセブンに追い付け追い越せ攻勢をかけている。

業種ごとの会計ポイント(生保損保代理店)

平成26年度の「保険業法等の一部を改正する法律」の成立により

委託型募集人が保険業法違反とされるようになった。 委託型募集人とは保険代理店の外交員で完全成果報酬型のフリーの営業マンのことだ。

保険会社→委託保険代理店→×社員以外の第三者ということになったため保険代理店では営業マンを雇用関係のある従業員として雇うことになった。
また保険代理店の法人化をしている場合は従業員になることにより当然に社会保険、労働保険の加入義務が生じる。

保険業法の一部を改正する法律の成立(平成26年)により
保険代理店の中の100%歩合給外交員が禁止(委託型募集人)されるようになった。
保険代理店の従業員とする形となる場合が多いため、労働保険や社会保険(法人の場合)が必要になった。
従業員として給与となる場合は消費税の控除対象外で給与所得課税となる。

保険外交員で
独立していない保険会社に直接属している保険外交員の場合は外交員報酬は課税仕入で仕入税額控除の対象になる。
源泉徴収は1か月あたりの報酬(給与等として支払われた金額を除く)-12万×10.21%の税率を乗じて源泉をとる(納期の特例の対象外)

生保の保険代理店の売上は保険会社との委託契約による代理店手数料収入(消費税課税売上)のため、保険契約の成立の時が売上の発生時となる。(通常翌月以降の支払いのため売掛金が発生)

損害保険の場合は自動車整備工場などが副業代理店をしているケースもある。
保険代理店を通じた損害保険契約は代理店が保険料を徴収するため
顧客より預かった保険料は預かり保険料として預り金経理し、生保と損保の分は区分する。

保険会社との契約の中途解約されると保険代理店手数料が一部返戻することがあり、消費税がかかる。(契約時の消費税率)
消費税の簡易課税は平成27年4月1日以降開始する場合は第四種事業から第五種事業に変わった。
(26年9月30日までに簡易課税選択適用をしていた場合はその届出を出した日から2年を経過する日までは経過措置で第四種であった。)

昨今の傾向として個人保険については昔ながらの訪問セールス型が減少している。 色々な保険を取り扱う乗合い型の来店型の保険販売店が増加している。

金融機関も保険が販売できるようになり競争は激化しているが以下の一定の規制をひいている。

融資先募集規制等
(1) 一定の保険商品については、事業性資金の融資先(従業員数50人以下の小規模事業者については、その従業員等を含む)に対し、手数料を得て保険募集を行ってはならないこととされています(融資先募集規制)。
ただし、一時払い終身保険、一時払い養老保険、積立傷害保険、積立火災保険等のほか事業関連保険(銀行等のグループ会社を保険契約者とするものに限る)の募集については、規制対象から除外します。(保険業法施行規則(以下、「規則」)第212条第3項第1号、第212条の2第3項第1号等)
(2) 融資先募集規制の対象となる保険商品については、融資申込者に保険募集を行ってはならないこととされています(タイミング規制)。
ただし、非事業性資金の融資申込者に対する保険募集については、規制対象から除外します。(規則第234条第1項第10号)
(3) 地域金融機関については、融資先募集規制の対象となる保険商品の募集に関し特例が設けられ
(1)担当者分離規制(事業に必要な資金の貸付けに関して顧客と応接する業務を行う者が、融資先募集規制の対象となる保険商品の募集を行ってはならないとする規制)について代替措置をとること及び従業員数20人超50人以下の融資先の従業員等に対する保険募集を行うことを可能とする一方、
(2)融資先の従業員等(従業員数50人超の融資先の従業員等を含む)を保険契約者とする保険契約に係る保険金額を一定額以下にすることとされています。
ただし、上記担当者分離規制の適用を受ける場合については、保険金額の制限の対象となる保険募集は、従業員数50人以下の融資先の従業員等を保険契約者とするものに限ることとします。(規則第212条第4項、規則第212条の2第4項等)

募集を目的とする金品その他特別な利益の提供は禁止されていることから交際費の使い方にも注意したいところです。 また保険代理店の合併 M&Aなども盛んになっている。
顧客ごと引き継ぐ場合は営業権を支出した場合は5年間で償却可能である(月数按分を行うようになった)

事業ごとの会計ポイント(整骨院)

医業とともに資格がないとできない商売に整骨院などの柔道整復業がある。

あんまマッサージ指圧師
鍼灸師
柔道整復師
はいずれも国家資格
資格を取るための養成校もここ10年で10倍程増えておりコンビニ 歯医者より多くなどより競争は激しい状態ともいえる。

高齢化社会 資格のいらないカイロプラクティック マッサージ リラクゼーション等も増加している。
差別化をめざし 鍼灸と柔道整復業の兼業
訪問治療
会社化して介護サービスなども増えている。

健康保険法では、医療機関の窓口で健康保険証を提示して診療を受けることが原則だが、旅行中などでの健康保険証不携帯の場合や、緊急を要する場合は整骨院・接骨院などで施術(治療)を受けることができ療養費として扱われる。
通常、整骨院・接骨院で健康保険を利用しての施術(治療)は療養費扱いとなる。
 原則(償還払い)でも、柔道整復については、例外的な取扱いとして、患者が一部負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が残りの費用を保険者に請求する「受領委任払い制度」という方法が特別に認められています。このため、多くの整骨院・接骨院などの窓口では、病院・診療所にかかったときと同じように自己負担分のみ支払うことにより、施術(治療)を受けることができ、療養費の支給申請書の受取代理人欄に、委任の署名(サイン)が初検時、月ごとに必要となる。
また、単なる肩こりや軽い腰痛マッサージなどで社会保険が使えないケースもあるので要注意だ。

保険が摘要される治療については社会保険 国保 (消費税非課税)診療ご翌月10日までに請求 請求月の翌月に入金
接骨師協会の組合などを通じて請求をする
自動車事故による自賠責保険による収入(消費税対象外)
労災(消費税対象外)
収入の計上基準は窓口は収入した日 保険は施術した日となる。(請求した日ではない)
決算においては未収金の把握が重要であり、特に自賠責保険については長期に治療がかかること及び入金まで時間がかかるので注意が必要である。

医師などの同意書をもとにしてあん摩マッサージ指圧師が行う場合(健康保険適用)以外のマッサージなど国家資格を要さないものは消費税がかかる 保険も使えないため自費扱いとなる。
個人開業が多い業種であるが医師などのように社会保険診療に源泉所得税はとられない。所得計算の特例も使えない。

業種ごとの会計ポイント(バー・スナック・キャバレー 飲み屋)

キャバレーやバー、スナック等のホステス等については
給与か報酬かで源泉徴収のやり方が違うため注意が必要である。

バーやキャバレーの経営者がそこで働くホステスなどに報酬・料金を支払う場合
バンケットホステス コンパニオン(旅館 ホテル等の飲食の際に接待提供させる内容の事業を営む者がバンケットホステスやコンパニオンに報酬を支払う場合

1)同一人に対し1回に支払われる金額 月合計(報奨金や衣装代 深夜タクシー代含む)
2)5000*計算期間の日数(1日から月末までの月の日にちで営業日数でない)
1)-2)*10.21%

源泉徴収は翌月10日までに納付しなくてはならず給与のような納期の特例はありません。

ただしホステスが雇用契約に基づき使用者の指揮命令のもと労務の提供をした場合は給与
扶養控除等申告書を出していれば甲欄 出してなければ乙欄 2か月以内の単発日払い丙欄

簡易課税の場合今後導入される軽減税率も含めるとかなり複雑だ
お酒の販売 バーでの飲食はすべて軽減税率の対象にならない 
通常は第四種だが、たばこ等の販売は2種 
カードによる売上も多いため未収金の把握 カード手数料控除(非課税仕入)の把握も必要になる。

現金売上が多いため税務調査ではバー キャバレーなどは調査重点対象になりやすい業種である。
現金の流れ管理をきちんと
架空人件費を疑われないよう雇われているアルバイトにもきちんと給与台帳をつけることが肝心となる。

仕入もきちんと請求書等保存し現金における仕入も必ずお店のものと家事用のものを分別することが大事である。

店舗改装については店用簡易設備 カウンター 陳列棚などは3年という短い償却期間で償却できる。
改装が定期的に行われる業種のため、前回の内部造作を取り壊して改装した場合
前回の部分は除却となり新しい部分の内部造作を見積もり耐用年数にて償却する。

お酒のメーカーなどからの専属契約料の受け取りは受け取り事業年度の収益となる
メーカーなどが空き瓶こみで売り空き瓶を返却したときに空き瓶代を返還する場合は容器保証金は消費税の対象にはならない

業種ごとの会計ポイント(情報通信業)

インターネットを通じて電子商取引が急速に発展し
税務署でも電子商取引担当や海外取引担当の調査官なども設けているようです。

仮想通貨やネットオークション アフェリエイト 海外通販などなかなか捕捉が困難でかつ無申告というのも税務署がかなりマークしているので要注意です。

ここではそういったネット通販というより会社でシステムエンジニアやウエブ・ソフトウエア制作などを手掛けている場合の会計のポイントを書いてみると

システムエンジニアについては、他の会社に派遣したり派遣を受けたりするケースが多いため、外注費と人件費の取り扱いが注意です。
どの業種でも外注費と人件費は見られるところであり、外注(請負、派遣)なら消費税の控除ができる&源泉所得税がいらないのに対し、
給与となると消費税の控除も使えず、源泉徴収漏れということになります。
請負の「時間」ではなく「成果」によるもの 派遣先の指示監督のもとに働いていないこと 自ら材料用具等を用意していることが請負(外注)のポイントでもあります。

ソフトウエア制作 ウエブ制作などの場合はほとんどが人件費のため期末に完成していない場合は販売費一般管理費はその期で落とせる(自社の給与も)が、外部への外注費用、材料などは期末在庫に計上する必要がある。
また自社で制作し自社で利用しているソフトウエアなども制作に要した原料費、労務費、経費を取得価格に計上する必要がある。(研究開発用のソフトのぞく)
ソフトウエアは無形固定資産で5年間残存0で均等償却する。
70万以上の新品のソフトウエア購入には、特別償却が使える場合がある。

 こういった業種は会計の方法としては建設業に近い考え方になっている。 制作に直接要した原価を把握することが大事で、建設業のように部分完成工事売上のようなケースも出てくる。
例えば基本設計に係る報酬と部分設計に係る報酬が区分されている場合のように報酬の額が作業ごとに区分され段階に応じてその作業終了ごとに金額が確定している場合はその都度売上に計上する。

また中には建設業のようにさきに前受金を受けるケースもある。 その場合完成引き渡した部分に対応する金額を収益に振り替え、まだ売り上げ計上をしていない部分を繰り延べる期末作業が必要になる。

ソフトウエア開発などのように製品作成までに多額の時間と費用のかかるもの、プロトタイプ作成、試作品など試験研究が必要なものには試験研究費の税額控除制度の適用がある。
原材料費、試験研究員の人件費 外部委託費 試験研究用資産減価償却費などが該当する。

また人件費を増加した場合の所得拡大促進税制などIT技術者が不足している中人材不足、人件費高騰もあり給与を増加した場合の優遇税制も適用できるか常に判断する。
平成30年4月開始年度より教育訓練費を10%以上増加した場合所得拡大促進税制の割り増しが使えるようになったため
勘定科目に 試験研究費 教育訓練費 などの科目を分け区分しておくとよいだろう

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