休職規定というのはそもそも、福利厚生的なもの(慶弔規定などと同じ)で特に作らなくてはならないものではありません。
就業規則や労働基準法ができた当時は、結核の人が多く休職期間をある程度設けていたという事情があります。
現在は、ほとんどうつ病、また定年年齢が延長等しがんなどの長期療養に使われています。
がんについては今や2人に1人はかかる病気であり、長年勤続した場合に休職、治療期間、社会保険による扶助(傷病手当金)
が使えるのは非常に望ましいことです。
この場合は休職規定を新たに設けなくても治癒に必要な期間は休職扱いをしてあげるのが会社として望ましいでしょう。
一方非常に増えているうつ病による休職です。
そもそも休職規定自体が上記にのべたように「うつ」を対象としていないで作られた制度のため実態にそぐわない形になっていることが多いです。
ただしメンタル疾患対策が叫ばれる中、本当の鬱にかかった方へのある程度の配慮は必要でしょう。
一番大事なのはうつ病になる原因を取り除く事
採用時にメンタルチェックを行う
会社起因のものにさせないため過度の労働、長時間労働 パワハラセクハラ禁止
職場での悪口かげ口禁止など
まず予防レベルが大事になってくるのがメンタルヘルス対策です。
一番困るのは、うつから回復してすぐまたうつに戻ってしまうケース
本当のうつ病ですと本人もかなり苦労するのですが、会社以外は元気に遊びまわっている新型うつという最近のうつ病です。
がんのように病理が見えないため本人提訴が主体となり、お医者さんも症状から簡単に診断書を書いてしまう傾向があるのがこの病気の特徴で
中には、すべて会社のせいにして、大げさに被害意識を膨らませ、診断書を片手に労働義務は果たさないのに権利ばかりふりかざす訴えを起こすモンスター社員もわずかですがいます。
確かに問題になるほどのパワハラレベルなら配慮するべきですが会社自体がこのような場合疲弊し苦労する結果となります。
休職は個人的にはケースバイケースで個々に与える形でよいのではないかと思うのですが規定する場合最低限このような工夫が必要でしょう
①連続した数か月の欠勤で休職開始というのが多いのですが、有給を除き通算日以上とする
②休職開始時に休職発令書と復職願いを渡し休職日が満了する日を伝える(そこで直らなければ自然退職)
③休職期間は○日と日にちにする(直前の賃金締切日から締切日まで)
④復職後また休職という場合は通算する(復職後6か月以内)
⑤勤続年数により差をつける 試用期間中、勤続1年未満は試用期間を与えない
⑥復職の際は会社が指定する医師による復職可能の診断書を出す
⑦休職が終了しても従来の職務の遂行が困難な場合職場や仕事を変えたり、労働条件を引き下げることもできるようにする。
そもそも労働者には毎日労働する義務があるのですが昨今は労働義務を果たさず権利ばかり主張する人がネットなどの情報により増えています。
ノーワークノーペーイの原則、労務不能という状態である場合本来は、会社は雇用継続義務はないのが通常なのです。
しかし病気になったからとすぐに今まで長年働いてくれた従業員に治療の期間を設けないのも会社としての信義則が問われてしまいます。
うつ病を繰り返す職員を解雇すると後の労務トラブルにつながるケースが多いため、休職期間満了後自然退職という形が一番良いでしょう。