土浦市・つくば市・石岡市など茨城県内で「トラックで荷物を運ぶ仕事を始めたい」「下請けから独立して自分で許可を取りたい」とお考えの経営者・個人事業主の方。
トラックを使って他人の荷物を運び、運賃をもらう仕事をするには、国土交通省(茨城県は関東運輸局・茨城運輸支局)から「一般貨物自動車運送事業の許可」を取得する必要があります。いわゆる「緑ナンバー」です。
この許可、取得までに3〜5か月かかります。書類の準備に加えて役員の方が法令試験を受験しなければならず、思ったより手間がかかります。でも、手順を理解して一つずつ準備すれば、決して無理なものではありません。運送業の許可を専門でやっている行政書士は非常に少ないのが現状です。 建設業のように地域の土木事務所のような受付場所はありません。地域に一つしか申請先がありません。(茨城は水戸運輸局)地域による細かい条件の違い(地域マター)もあるため地元の信頼できる行政書士に依頼するのが肝心です。 自分でやろうとすると倍以上時間がかかったり本来は取れるはずの資格が取れない可能性があります。
軽トラックだけなら許可不要の場合も
まず大事な確認点です。使う車が軽自動車(660cc)だけなら、「貨物軽自動車運送事業」の届出で済み、許可は不要です(届出だけで黒ナンバーが取得できます)。
今回ご説明するのは、軽自動車以外の普通トラック・中型トラック・大型トラックで事業を行う場合、つまり「緑ナンバー」の話です。
許可取得のための5つの条件
① 車両を5台以上用意する
営業所ごとに最低5台の事業用トラックが必要です(軽自動車・二輪を除く)。リースでもOKですが、申請時点で使用する権限があることが必要です。
② 適切な営業所・車庫を確保する
営業所は、農地・市街化調整区域ではないこと、使用権限があること(賃貸でも可)などが条件です。
車庫は、営業所から直線距離で一定範囲(関東では原則10km)以内にあること、車両全台を収容できる十分な広さが必要です。また、前面道路の幅員が車両の出入りに支障ない幅であることも確認が必要です。
③ 運行管理者・整備管理者を確保する
運行管理者は国家資格で、5台以上29台以下なら1名の選任が必要です。試験合格者か実務経験5年以上の方でなければなりません。受ける方は個人であれば個人事業主 法人であれば運送事業に係る常勤の役員のうち一人です。366ページも条文だらけで新たに取るのは大変です。
整備管理者は、自動車整備士の資格保有者か、一定の実務経験+研修修了者が必要です。
これが「人がいないから取れない」という事務所の一番多い悩みです。開業前に確保できるか、早めに確認してください。
法令試験は許可または許可後には法令試験が必要です。許可を受けた後2回連続合格できないと申請書が取り下げになります。受ける方は個人であれば個人事業主 法人であれば運送事業に係る常勤の役員のうち一人です。366ページも条文だらけで新たに取るのは大変です。 最新問題はこれです
受験者
受験者は、1申請に当たり1名のみとし、申請者が自然人である場合は申請者本
人、申請者が法人である場合は、許可又は認可後、申請する事業に専従する常勤役員
とする。
3.法令試験の実施方法
(1)法令試験は、隔月(奇数月)で実施する。
(2)初回の法令試験は、原則として許可申請書等を受理した月の翌月以降に実施する
こととし、法令試験の実施予定日の前までに、別紙により申請者あて通知する。
(3)法令試験を実施した結果、合格基準に達しない場合は、翌々月に1回に限り再度
の法令試験を受験できることとし、(2)に準じて再度通知する。
(4)再試験において合格点に達しない場合は、却下処分とする。ただし、当該申請に
ついての取下の願い出があった場合は、この限りではない。
4.受験者の確認等
当該申請に係る受験者は、試験当日の開始前に申請人本人(申請者が法人である場
合は、許可又は認可後申請する事業に専従する常勤役員)であることが確認できる運
転免許証、個人番号カード、パスポート等を提示すること。
5.出題範囲及び設問形式等
(1)出題の範囲(以下の法令等については、法令試験の実施日において施行されてい
る内容から出題する。)
①貨物自動車運送事業法
②貨物自動車運送事業法施行規則
③貨物自動車運送事業輸送安全規則
④貨物自動車運送事業報告規則
⑤自動車事故報告規則
⑥道路運送法
⑦道路運送車両法
⑧道路交通法
⑨労働基準法
⑩自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年2月9日 労働省告示
第7号)
⑪労働安全衛生法
⑫私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
⑬下請代金支払遅延等防止法
(2)設問方式
○×方式及び語群選択方式とする。
(3)出題数
30問
(4)合格基準
出題数の8割以上とする。
(5)試験時間
50分とする。
6.その他
(1)参考資料等の持ち込みは不可とする。ただし、関係法令等の条文が記載された条
文集を配付する。(当該資料は書き込み不可。試験終了後に回収。)
(2)試験当日、受験者は筆記用具を持参すること。
④ 十分な資金を準備する
ここが2025年4月に大きく変わりました。
以前は人件費・燃料費などの運転資金として「2か月分」の自己資金が求められていましたが、2025年4月の法改正施行で6か月分に引き上げられました。また、車両費・施設費についても1年分が必要になっています。
事業規模にもよりますが、総額で2,000万円〜3,000万円以上の自己資金が目安として必要になるケースが多くなっています。残高証明書を2回(申請時と許可前)提出する必要があるため、資金の準備は早めに動いてください。
⑤ 損害賠償能力を確保する
任意保険・共済への加入(または保険料相当の積立)が必要です。対人8,000万円以上・対物200万円以上が目安とされています。
申請から許可までの流れ
① 書類準備・申請(茨城運輸支局へ提出)
↓
② 役員が法令試験を受験(奇数月に実施)
※30問・24問以上正解で合格
↓
③ 審査(標準処理期間:3〜5か月)
↓
④ 許可通知
↓
⑤ 登録免許税の納付(12万円)
↓
⑥ 運行管理者・整備管理者の選任届
↓
⑦ 緑ナンバー取得・事業開始
特に注意したいのが法令試験です。社長や役員の方が直接受けなければならず、不合格になると再試験で2か月以上の遅れが出ます。貨物自動車運送事業法・道路運送車両法・労働基準法など、出題範囲が広いので、準備期間を十分に取ってください。
2025年〜2026年の重要な改正ポイント
2025年4月施行:資金要件の大幅強化(上記④参照)
2025年6月成立:許可の更新制導入 これまで一度取れば半永久的に有効だった許可が、5年ごとの更新制になる方向で法改正が成立しました(施行時期は今後確定)。取得後も一定の基準を維持し続けることが必要になります。
当事務所からひとこと
「運送業の許可って、難しそう……」とよく言われます。確かに書類の量は多いですし、資金要件も年々厳しくなっています。ただ、一つひとつの要件を確認していけば、決して取れないものではありません。
うちの事務所では、書類作成だけでなく「この物件は車庫として使えるか」「運行管理者はどう確保するか」といった事前の実務的な相談からお受けしています。土浦・つくばを中心に茨城県内であれば現地確認も対応していますので、「まだ検討段階」という方もお気軽にどうぞ。
細かい内容は随時このブログにあげていく予定です。
2026年3月時点の情報をもとに作成しています。法改正により要件が変わる場合があります。最新の要件は関東運輸局または管轄の茨城運輸支局にてご確認ください。


