〇まず法人税法上の役員退職金を支払いたい場合は
- 債務確定時に損金算入が要件 ⇒そのためには役員退職金を支給する年度内にて株主総会の決議が必要です。
- その事業年度中に支払うか株主総会で決議する。
- 退職慰労金は多額になるため一括で支払えないケースもあるかと思います。たとえば3000万のうち1000万を払いその後分割支払いということも認められます。(源泉所得税はその都度)
不相当に高額な部分は損金に算入されない狙われるところです。
1 代表は最終報酬月額×在職年数×3倍 代表以外は2倍程度に収めておくことが無難 在職年数は切り上げ計算可能です。
2 支給金額が5000万以上 功績倍率5倍以上(代表以外3倍以上)から注意 役員退職金は否認ができれば一つの否認で数千万の否認が可能なため税務署からは狙われるところです。その金額が相当かどうかは次の基準がポイントです。
- 不相当に高額な金額が妥当であるかの基準
- その役員の法人業務に従事していた期間
- 退職の事情
- その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似する物の役員に対する退職金の支給の状況
役員の貢献度によりほぼ事実認定で不相当に高額でないかの判定が行われます。
具体的には
その会社の売上規模、利益準備金積立額⇒ある程度大きければ多額でも認められる
法人の設立 発展までに功績のあった場合⇒創業メンバー
創業者 経営者としての役割、企業価値増加への貢献度合い
⇒事前に役員報酬規程により役員の業務内容などを明らかにしておく 功績が大きかったことを釈明する資料を議事録以外に作成しておく
〇会長職として残るがいったん退職して現場を離れたい場合の退職金
- 分掌変更における役員退職金で否認されないために
条件
- 常勤が非常勤となったこと
- 報酬が50%以上減少
- 監査役になる
- 株などを持っている場合は、経営権があると実質的に経営に関与しているとみなされるため、注意
〇従業員が役員になった時に打ち切り支給として従業員の退職金相当額を支給する場合
使用人が役員昇格により打ち切り支給される退職金名義のお金は費用計上可能です。
条件
・その後使用人であった期間の退職金の計算期間を加味しないこと
・従業員の退職金として相当額であること