今一問一答形式の労務Q&Aを毎日少しずつ更新しています。(一度お客さんからほめられたので そこでは一枚の情報が多すぎるのであまり長文書いていませんここで少しずつ解説していきます。)
まず労働者も経営者も関心のある給与からです・
給料には各種の従来から慣例で支払われる手当があります。
まず賞与 たいてい基本給をベースとした○か月分が夏冬2回支給されることが多いものです。
一度賞与を規定してしまうとそれが生活給として社員の生活設計に組み込まれてしまい削減することに抵抗があると思います。
これから賞与を設計するとしたら、毎月の給料は変わらず賞与で業績評価をある程度反映できるシステムのほうがいいでしょう。
賞与や退職金を一切支給せずその原資を毎月の給与に分配し手取りを大きく上げている会社のほうが採用、離職率でも良くなる可能性もあります。
従業員は毎月の手取りが一番の関心事ですから
また会社の著しい業績悪化の際には賞与は支給しないことがあるという一文も追加しておきましょう。
ポイントは、やってもやらなくても同じという給与では本当にやる気があり成果の出している社員に報われないものです。
きちんと業績評価に対する手当を増やし、何となく温情で与えている手当は削減していきましょう。
その他の手当
役職手当 課長級以上の管理職は残業代がつかない代わりに
手当を支給することが多いものです。 これも残業代を付ける役職のケース不要でしょう
残業手当 労働時間の算定できない事業場外労働のみなし時間制 裁量労働のみなし時間制(専門職、企画等)は労使協定によりあらかじめ定められた
みなし時間とすることができる 9時間なら割増1時間が必要 時間外労働は残業命令がなくても黙示している場合認められてしまう
ただし使用者の明示の残業禁止命令に反して行った時間外労働は残業時間の対象外である。(残業禁止が不合理である場合を除く)
固定残業制も一定時間分を超えた部分は割増の対象とする。 営業手当が残業手当をしているという言い訳は通用しないので残業手当とする
年俸制にしているから残業代とするというのも裁判例では認められていない。オール歩合給はそもそも労基法違反だが割増賃金は発生する
残業を払わないでいい管理監督者に該当しなかった例 一般社員と同じ賃金体系、時間管理、人事権のない 名ばかり工場長 支店長代理 ホテル料理長
教室部長 ソフトウエアプロジェクトリーダー マグドナルド店長など
皆勤手当 毎日時間通りに出勤するのが当たり前なので今となっては不要でしょう。
営業外手当 外回りの労働者などで残業手当を支給しないケースに支給します
資格手当 その資格がないと仕事ができないようなケースだけでいいでしょう
家族手当 家族(扶養)がいるといないとでは、生活における可処分所得が著しく違います。 企業の社会的貢献という意味でもある程度残すといいでしょう
ただし、会社への貢献、能力と関係のない手当は不公平感を持つことから
一時金制度にするなど相対的に減少している手当の一つでもあります。 後から説明す住宅手当、通勤手当とともに残業割増に含めて
計算する必要がないため入れている会社が多いのですが、能力や成果に関係ない温情手当は削減する方向です。
住宅手当 社宅のあった時代の名残のケースが多いものです。 この手当は減っているケースが多いものです。
通勤手当 労働者、経営者双方当然払わなくてはならない手当の一つと考えられていますが労働基準法上必ず支払う手当ではありません。
この手当もよく考えると近い人と遠い人でかなりの差が生まれる手当であり遠方よりの通勤というだけで社会保険、雇用保険も高く設定されます。 そもそも通勤も仕事の うちという考え方もありますが、通勤時間は会社にとっても本人にとってもなんらプロフィットがなく短い事がのぞましい時間でもあります。 この場合会社で1万円もしくは1万5千円等限度額を定めておくのが合理的でしょう
単身赴任手当 家族手当同様温情的にはコストがかなりかかるので会社都合ということもあり残しておいた方が良いでしょう。
奨励手当(インセンティブ、評価給) 煩雑になりますが 業績に応じた給与はやる気を生み企業に活力をつけます。
残念ながら人間の能力には差があります。 1人の人が一日10できる仕事がどんなに一生けん命やっても2か3しかできない。それはすなわち能力の差なのです。
給料を設計する場合、温情や慣習からなんとなくでなく その人材が『採算』の取れる人材であることを目標に能力とその能力を発揮した成果を正当に評価できる手当があるといいと思います。
なぜなら 経営者は常に利益を出すことを目標に考えますが、従業員は毎月の給料が定額のため 頑張れば報われるとか 採算の悪い仕事をしたら低い評価をされるという感覚がなく『自分がペイしているか(採算を考えて仕事しているか)』を考慮できないものです。
そのため経営者が給料において評価システムそれに伴う給与システムが大切になると思います。
はやし会計 http;//tsuchiuratax.jp