企業会計の原則として費用だけあげてそれに伴う収入は計上しないというのは費用収益対応の原則から外れる。
一方債務は確定したもののみ計上するのも原則だ。
例えば車両事故や盗難などで損失があった場合保険などの請求額が確定するのは時間がかかる。
翌期になる場合損失だけ計上して来季確定した時に収益計上でもよいのだろうか
TAINS裁決例によると
資産に損害保険が付されている場合は災害等による損失は保険が確定するまで仮勘定とし保険が確定したら処理するのが妥当
保険金が確定しているなら保険金の入金が来季でも災害損失の確定した年度で収入計上すべきとある。
従業員などによる横領や損害賠償などのケースも考え方としては同様というケースもある。
調査などでたとえば従業員の横領が発覚した(意外と多いようだ)
架空外注などのケースはもちろん費用にならない
その架空外注などでもうけた従業員の横領部分も同時に損害賠償金という債権として認識し益金に算入するという裁決事例もある。(確実に取れない時点で費用処理)
しかもこの例ではまったく経営者の知らないところで経理責任者によってなされたものであるのに重加算税を課されている。
経理責任者や役員など不正行為=会社の行為と同視される立場の人がやった場合は会社としても重加算税の対象となるのだ。
一方従業員がやった簿外売上も法人の売上にされなかったケースもある。
従業員が販売する権利を持たないもので職務権限を逸脱して余剰紙を販売したケースは、会社がその内容を予見し把握しえず会社の収益には計上しないとされた。
ポイントはその取引をやった人(不法操作を行える権限 地位があったか)取引の態様 事業内容 相手方の認識などで総合的に判断されるようです。
よく建設業の鉄くず、中古品の買い取りなど雑収入については現金販売のため税務署も調査の際によく注目しています。
業者ごとの買い取り業者など調べればすぐにわかってしまうため収入は確実にあげ、従業員のコンプライアンスも日頃徹底しておくべきでしょう。